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「哲学の広場」、西東京市谷戸公民館で

 デカルト、ホッブズ、スピノザ、受動と能動、神と自然、コノトゥス……。

 2006年12月22日、西東京市谷戸公民館(谷戸町1丁目)の学習室。3人の男性が、日常会話ではなじみの薄い人名や用語を駆使して、議論を交わしていた。

 3人のうちの一人は、同公民館職員の平井達也さん。昨夏、「哲学の広場」と題した公民館講座をたち上げた人物だ。

 その講座に参加していたのが、作曲家のロクリアン正岡さん(61)と、起業準備中の大町亮介さん(26)。

 公民館講座自体は4回で休止となったが、特に大町さんが「市民が自由に出入りし、語り合い、お互いの精神を豊かに発達させられる素晴らしい場。これをなくすのはもったいない」と熱心に要望したことで、「哲学の広場」は有志の会として存続することになった。

 熱意で続いているだけに、議論は本格的。学者の論文から引用したり、おのおのレジュメを作って考えを発表したりと、予習・復習の跡までうかがえる。

 もっとも、仕掛け人の平井さんによると、「哲学というと難しそうですが、ここはあくまで意見を交わす場で、学習の場ではありません。普段はもっと易しい言葉で、楽しくやっていますよ」とのこと。

 この日も、設けられたテーマは「ロボットに心はあるか」というもので、会の後半は、人間になろうとするロボットの姿を描いた映画「アンドリュー」(米、1999年)を元に、それぞれが意見をぶつけあった。

 日本ショーペンハウアー協会の会員でもあり、初回から1回も欠かさず参加している正岡さんは、「このような話し合いは、思慮分別のない、心ない風潮が出てきた社会の中、ちょっと深く考えてみたり、自分を客観的に突き放してみたりするいい機会になる。頭や心を鍛えあうことは、社会還元にもなる。もっと、哲学的な気運を高めていきたい」と話す。

 そんな熱意が実り、休止していた公民館講座としての「哲学の広場」が、今月から再開する。

 次回は1月21日午後2時から4時までで、テーマは「仕事と遊びの境界はどこか」。講師は法政大学講師の木島泰三さん。市内在住、在勤、在学の申し込み先着20人まで。

 なお、参加の際には、幾つか約束ごとがある。議論を活発かつ円滑に進めるためのルールで、1.人の話は最後まで聞く、2.自分の考えを押し付けるような話し方をしない、3.既成の哲学者の権威を借りない、4.自分がつらくなるようなことは話さない、5.途中の入退室は自由――など。

 平井さんは、「こうした議論の場は、1990年代にフランスで始まり、日本でも各地で少しずつ広まっています。公民館が主催するものは珍しく、たぶん都内ではここが最初だと思いますが、生き方を語る場が少なくなっている世の中だからこそ、多くの人に参加してほしいですね」と話している。

 問い合わせは同公民館(TEL 042―421―3855)へ



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