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短歌に救われて――
田無短歌会



  「下の句の『手足は強く空を切りたり』は、『切りゆく』とした方が、躍動感に余韻があって、より良いのでは?」
 田無短歌会のメンバーが集った西東京市田無総合福祉センターの1室に、お互いの短歌を批評する声が響く。

 中越沖地震をよんだ「原発と活断層とのこの恐怖『想定外』とは言葉失う」は、何人もから高い評価を受けた。が、「いまは分かるけれど、3年後でも意味を理解されるかしら?」というある会員の疑問から、活発な議論に。「『言葉失う』と言葉にする必要はない」などの意見も飛び交い、最終的には「原発の真下にありしは活断層この恐怖を『想定外』とは」との添削案が満場一致で“可決”された。

 この日は、午後1時から休憩をはさみながら、約4時間で17首を評論し、添削を加えた。

毎月の合評会が100回を突破

 同会は、全国的な短歌会「まひる野」に在籍する有志のサークルとして1998年に発足し、翌年から田無短歌会として活動を開始。現在の会員は20人で、無記名で発表された新作を批評し合う合評会を毎月開く=写真。

 今年2月に100回目を数え、記念に各会員自選の20首を掲載した冊子「窓」を発行した。
 歌人、窪田空穂(うつぼ)の流れをくむ「まひる野」の会員を40年以上続け、田無短歌会の代表を務める雨宮梅子さんは、「短歌は感想ではなく、感動をうたうもの。説明になってはいけない」と言い、「美しい花をいかに『美しい』を使わずに伝えるかが難しく、そしておもしろい」とその魅力を話す。

 無記名とはいえ、顔なじみの会員の作品を批評しあうことについて、会員の川口二三子さんは、「褒め合うだけでは上達しない。それにどの意見も前向きなので切磋琢磨になる」という。
 その結果、会員の半数は入会時には初心者だったが、いまでは「立派な歌人」(雨宮さん)に。

 その一人、牧野勝子さんは、「窓」に作品とともに、「短歌に救われて」というエッセーを寄せ、10万人に1人という難病を発病してから、「短歌をやっていてよかったという思いが湧き上がってきました」と書く。

 身の衰え認めたくなきわがあがき察する夫か気張らず生きよと(牧野勝子)
 
 なお、同会の入会金は無料で、年会費3000円。
 問い合わせは雨宮宅(TEL 042・462・7833)へ。



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