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アニメの舞台は東久留米
「河童のクゥと夏休み」
今夏、全国公開へ

河童のクゥ1
主人公の康一と河童のクゥ
C木暮正夫/「河童のクゥと夏休み」製作委員会
 この夏、東久留米市を舞台にしたアニメ映画が全国公開されることになった。

 西東京市に本社を置くシンエイ動画の原恵一さんが監督した「河童のクゥと夏休み」(「河童のクゥと夏休み」製作委員会)で、東久留米市に長く暮らした児童文学作家、木暮正夫さん(1939―2007年)の「かっぱ大さわぎ」(「河童のクゥと夏休み」岩崎書店刊に所収)などが原作となっている。

 東久留米市では、映画に描かれた市内の風景を紹介する写真展を開催するなど、「市の名前を全国に知ってもらう千載一遇のチャンス」(同市生活文化課)ととらえている。

40年暮らした木暮さんの原作

 映画は、東久留米市に住む小学生の上原康一が、市内を流れる黒目川で河童を見つけるところから始まる。「クゥ」と名付けられた河童をめぐってマスコミが大騒ぎする中、家族や友人とのつながりを再発見していく長編アニメだ。

 「クレヨンしんちゃん」シリーズで2002年に文化庁のメディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞した原さんが、木暮さんの本を手にした約20年前から温めてきた企画だという。

 映画では、随所に東久留米の風景が描かれている。黒目川をはじめ、小山台遺跡公園や東久留米駅などが登場する。周辺民家の細部まで描写された南沢3丁目の湧水地など、綿密な取材がなされたことをうかがわせる場面も少なくない。

 原作者の木暮さんは群馬県出身で、約40年間、東久留米市に暮らした。原作は、架空の城下町を舞台にしているが、アニメ化にあたって木暮さんの自宅をあいさつに訪れた原さんが、黒目川や落合川が流れる同市の風景を気に入り、映画版での舞台に決めたという。

 「大自然ではないけれど、街中をきれいな川が流れているのが印象的だった」という原さんは、「取材を進めるなかで、昔は河童が住めるぐらいきれいだったのに、今は住めなくなったという設定にするなら、他の汚い川を舞台にすべきかと悩むほど、東久留米の川は美しかった」と話す。



 全国公開される映画の舞台となっていることを東久留米市が知ったのは、アニメの完成後だった。同市では、急きょ5月に市長を委員長とする支援委員会を設置し、映画のサポートを決めた。

 「東久留米の知名度を上げるシティーセールスのチャンス」とする生活文化課の中村元美課長は、「映画を宣伝するだけでなく、市民が地元を再発見し、つながりを生み出すきっかけにもしたい」と張り切る。

 7月14日には、市内の小中学生らを対象にした試写会を開催し(応募は締め切り済み)、中旬からは東久留米駅で、映画のシーンと実際の風景が比較できる「原画と写真展」を開催する。また、8月には、映画に登場するスポットを巡る「クイズウオーク」を西武鉄道と共催する。

 木暮さんは、作品の映画化を「夢のようです」と喜んでいたが、その完成を見ることなく今年1月に亡くなった。「木暮さんに映画の感想を聞くことはできないけれど、作り手として嘘をついていないものができたと思う」と原さんは話している。

 同映画は、シネ・リーブル池袋(TEL 03・3590・2126)など全国約100館で、7月28日から公開される。

「河童のクゥと夏休み」公式ホームページ

【取材記者・木瀬貴吉】
河童のクゥ2
南沢緑地保全地域のシーン。写真(下)と比較すると忠実に描かれていることがよく分かる

河童のクゥ3


履歴
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