40年暮らした木暮さんの原作
映画は、東久留米市に住む小学生の上原康一が、市内を流れる黒目川で河童を見つけるところから始まる。「クゥ」と名付けられた河童をめぐってマスコミが大騒ぎする中、家族や友人とのつながりを再発見していく長編アニメだ。
「クレヨンしんちゃん」シリーズで2002年に文化庁のメディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞した原さんが、木暮さんの本を手にした約20年前から温めてきた企画だという。
映画では、随所に東久留米の風景が描かれている。黒目川をはじめ、小山台遺跡公園や東久留米駅などが登場する。周辺民家の細部まで描写された南沢3丁目の湧水地など、綿密な取材がなされたことをうかがわせる場面も少なくない。
原作者の木暮さんは群馬県出身で、約40年間、東久留米市に暮らした。原作は、架空の城下町を舞台にしているが、アニメ化にあたって木暮さんの自宅をあいさつに訪れた原さんが、黒目川や落合川が流れる同市の風景を気に入り、映画版での舞台に決めたという。
「大自然ではないけれど、街中をきれいな川が流れているのが印象的だった」という原さんは、「取材を進めるなかで、昔は河童が住めるぐらいきれいだったのに、今は住めなくなったという設定にするなら、他の汚い川を舞台にすべきかと悩むほど、東久留米の川は美しかった」と話す。 |