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ミニデイ運営難、高齢者の行方は…
東久留米の
ファミリーデイ
高齢者の健康維持に効果があるとされるミニデイホーム事業(ミニデイ)で、東久留米市の「ファミリーデイ」が運営の岐路に立たされている。市が独自事業をやめた影響で、赤字運営となっているため。何とか活路を見いだしたいと模索しているが、毎週通う高齢者らは「なじんだミニデイに行き続けたい」と不安を隠さない。
ミニデイで集う高齢者ら=3月28日、東久留米市新川町のファミリーデイで
「ここがなくなったら困るわ。次を探すのは大変だもの。スタッフは大変でしょうが、続けてもらわないと」
さる3月30日、東久留米市新川町にある「ファミリーデイ」でのこと。毎週通っているという上薗ハツ子さん(87)は、そんなことあるわけないというように笑った。最近通うようになったという伴頼子さん(72)は、「ここはアットホームな雰囲気でいいのよ。“施設”って感じのところは、居心地が悪くって」と愛着を素直に表す。
質問をぶつけた時点では、二人とも同施設が運営難にあることを知らなかった。
ミニデイは、有志市民が自宅や集会所などで、高齢者の集いの場をつくる事業のこと。絵手紙などの創作や、食事会などを通し、高齢者の交流や生きがいを生み出す。高齢者の外出の機会をつくることが大きな目的で、東久留米市では、約30のミニデイがある。
「ファミリーデイ」もその一つ。NPO法人「ケアサポートファミリー」が1997年から運営するもので、アパートの一室で、食事を提供したり、編み物などの趣味活動の場をつくっている。1999年10月からは、介護保険対象外の高齢者の外出機会をつくろうと市が始めた「生きがい対応型デイサービス事業」の受け皿にもなり、多いときで11人が通い、週3回開所するなど、順調に運営してきた。
が、現在の開所は、金曜日のみ。利用者は6人に減っている。
背景には、介護保険制度で「介護予防」が打ち出されたことなどを理由に、市が2007年3月で同事業をやめたことがある。それによって特に利用料に影響を受けた。
それまでの利用料は一人1回615円。これは1割負担の金額で、事業者には、市から5535円が加算され、計6150円が支払われていた。
しかし現在、同施設では、利用料を2000円に設定する。利用者の負担を考え、以前の収入の3分の1程度というぎりぎりの料金設定だが、それでも「通いたいけど通えない」とやめていった人もいたという。
市社会福祉協議会から年約10万円の補助金が出ているものの、この1年の収支はマイナス。かといって、利用料の値上げは難しい。
同施設を運営する同NPOの理事長、森賀津子さんは「利用者さんのことを思えば、やりたい思いでいっぱい。運営面で瀬戸際にいるのは事実だが、何とか活路を見いだしたい」と話す。
一方、市介護福祉課地域ケア係の並木久子さんは「急速に進む超高齢社会の中、実態が先行していて、制度を後から作っているというのが実情。その過程で利用者や福祉関係者に迷惑をお掛けすることもあるが、市としては丁寧にフォローしていきたい」と話している。
視点
ミニデイは市民が自発的に始めるもので、いわゆる成熟した市民社会を体現するものと言える。もとより、主宰者らは収益など求めていまい。
とはいえ、ない袖は振れない。先月、市社会福祉協議会の主催でミニデイ代表者の懇談会が3カ所で開かれたが、資金面やPRの方法、高齢者の安全確保についてなど、各会からさまざまな運営の苦労が報告された。
同席した市や社協の職員からは「ミニデイは高齢者見守りや居場所づくりに重要」などの発言があったが、善意で“最前線”に立つ主宰者らに、行政はもう少し柔軟な支援ができないものか。
もっとも、高齢者自身の意識変革も求められている。おもてなしを受ける気分ではなく、自ら参画し支え合っていかなければ、超高齢社会は乗り切れない。残念ながら、財源には限りがある。
なお、高齢者の外出に関し、(財)東京都老人総合研究所が以下のデータをまとめている。外出が月3回以下の人の健康を害するリスクは、歩行障害約5倍(1日1回外出する人に比べ)、認知症3・5倍(同)、要介護1・6倍(週1回以上外出する人に比べ)となっている。
【取材記者・谷 隆一】
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