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水曜いんたびゅう
私の主張
非核・平和宣言は市民参加の入り口
「非核・平和をすすめる西東京市民の会」事務局長 佐藤智子

 2006年10月、北朝鮮が核兵器実験を行ったと発表したことで、日本国内では、「核保有議論をタブー視すべきではない」という意見が、政府・与党の要人からも聞かれるようになった。
 いまも多くの被爆者が後遺症などに苦しむなか、戦後の日本が国是としてきた、非核三原則を破棄する日がやってくるのだろうか。
 そんな状況下で、西東京市は、1月21日に、市民公募で制定された「非核・平和都市宣言」の5周年を記念したシンポジウムを開催する。
 そこで、同市の平和事業を協働してきた市民グループ「非核・平和をすすめる西東京市民の会」の事務局長、佐藤智子さん(51)に、自治体が非核・平和を宣言する意義を聞いた。 【取材記者・木瀬貴吉】


――「非核・平和自治体宣言」とは、なんですか。

 「イギリスのマンチェスターで1980年に始まったムーブメントです。当時は、反核運動が世界的に盛り上がりを見せており、その翌年には日本でも宣言する自治体が現れました」

 「西東京市は、合併から1年後の2002年に宣言しましたが、それ以前にも旧保谷市が1982年に、旧田無市は84年に、それぞれ非核自治体を宣言しています。現在では、都内の51自治体など、全国で72%の自治体が宣言していると言われています」

――宣言することが目的ですか。


 「宣言する自治体が急速に増加した80年代は、宣言することに意義があったと思います。しかし、現在においては、宣言は出発点であって、宣言した自治体がなにを行っているかが問われると考えます」

 「その意味で、西東京市は、宣言文自体を公募して市民参加で選定した経緯もあり、また、市民なら誰でも参加できる『非核・平和をすすめる西東京市民の会』と協働しているという意味で、その活動は全国的にも高く評価されていいと思っています」

――具体的にはどのような活動を?


 「私たち市民の会は、毎月会議を開いて、企画や運営について話し合っています。昨年は、4月12日の『西東京市平和の日』に連動して西東京市域での空襲被害を示すパネル展示を市内で行ったり、中学生や20代の若者たちが広島市を訪問する『平和の旅』を行うなどの活動をしています」

 「ただ、私は『平和』や平和への活動というのは、もっと日常生活のなかにあるべきだとも思っています。今回は、5周年ということで、初めての大規模なシンポジウムを行いますが、節目だけに活動があるのでは、真の意味で継続しているとは言えないと考えています」

――宣言からの5年間に、北朝鮮が核実験を行うなどして、核の脅威が現実のものになっています。


 「北朝鮮の核実験は、許されるものではありません。しかし、あくまでも個人的な意見ですが、日本の政府関係者が核武装論を言い出すのは、過剰反応というか、北朝鮮の脅威を利用しているようにも思えます。北朝鮮の核実験前から、米軍の原子力潜水艦は日本近海で慌ただしく動いていたわけですし、日本政府がいう脅威と、北朝鮮が日米に感じている脅威とどちらが大きいのか、という冷静な視点も必要ではないでしょうか」

 「自治体は、住民にもっとも近い行政ですし、住民を守る義務を負っています。その意味で、必ずしも国と同じ歩みでなくていいと思いますし、西東京市として平和への姿勢を示せることがあるのではないでしょうか」

――しかし、現実的には、西東京市は、武力攻撃された場合を想定した条例を昨年9月に施行するなど、国の法律に従って動いています。


 「行政にいろんな面で限界があるのは当然です。しかし、だからと言って協働をあきらめてしまったら、そこで止まってしまうだけです」

 「予算面でも、西東京市の平和事業予算は年々減額され、今年度は前年度より2割以上減った約170万しかありませんでした。年間の総予算1000億円からすると、ほんのわずかな金額です。しかし、昨年11月の市民まつりには、かつての『平和の旅』参加者らも交じって非核・平和をテーマにしたブースを出し、同世代の子供たちがたくさん集ってくれました。限られた予算でも、やれることは必ずあるものです」

――佐藤さんにとって、非核・平和自治体宣言とは?

 「私は、この活動を市民参加のひとつの形だと思っています。西東京市は、合併時に定めた基本計画の中でも、『人権と平和の尊重』や『市民主体のまちづくりの推進』を大きな柱に掲げています。そのためにも、文化事業や都市計画においては、市民が参加できる審議会などを設けていますが、これらは、関心のある数人の市民が選ばれるだけです。しかし、平和事業は、すべての人が関心を持っていることですし、また誰でも参加できる仕組みが整っているのですから、この活動が、市政への市民参加の入り口になればいいなと思っています」

 「それに、西東京市の非核・平和都市宣言は、何度読み返しても、『なかなかいいじゃないの』と思います。声高に主張を押しつける宣言文ではないですから、活動もそんな感じのものを続けていきたいですね」


 西東京市の非核・平和都市宣言5周年を記念したシンポジウムは、1月21日午後1時から西東京市コール田無(田無町3丁目)で開催される。非核自治体全国草の根ネットワーク世話人の西田勝さんによる基調講演をはじめ、坂口光治市長や千葉県我孫子市の和田三千代さんらが参加するパネルディスカッションや、西東京市民によるミニコンサートがある。入場無料。

 問い合わせは西東京市生活文化課(TEL 042―464―1311 内線1413)へ。

西東京市 非核・平和都市宣言のホームページへ


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