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水曜いんたびゅう
私の見解
改憲に疑問、日本人は”歴史音痴”か
西東京歴史学会会長  片桐 譲

 改憲の気運が高まるなか、西東京歴史学会会長で、「保谷の昔と村人たち」の著書などがある歴史研究家、片桐譲さん(80)は「日本人は“歴史音痴”」と指摘し、平和や民権をうたう現憲法を守る必要があると主張する。
 さらに、西東京市に対し、合併で市民融和を図るには現憲法の精神にそった町づくりをすべきと話す。その見解を聞いた。【取材記者・谷 隆一】


 ――まず、西東京歴史学会について。

 「保谷・田無それぞれの歴史を、江戸時代、近代、戦後と詳細に調べ、今日の西東京市の姿をはっきりさせようと4年前から活動している。そうすることで、この市がこれからどう生きていったらいいか答えが出るはずだと考えている」

 ――見えたものは。

 「例えば、明治期のこの市域で、三十番神の禁教、御門訴事件、合祀反対運動(表参照)という三大事件ともいうべき出来事が起きている。いずれも為政者に対する市民の反発運動で、合祀反対などは10年も続いた。そうした気概が市域の先人たちにはあった。そこから我々が学ぶことは大きい」

 ――というと。

 「いま改憲の気運が高まっているが、違和感がある。憲法を変えるということは、国を変えるということ。歴史を研究する者の立場からみると、放っておけない大事件。しかも、平和、民主主義、自由、民権という世界共通の普遍的価値を持つ現憲法を捨てようとしている。なぜそんなことが起ころうとしているのか。その理由を考えると、先人との違いが明らかになる。はっきり言って、この国は“歴史音痴”になってしまった」

 ――歴史音痴ですか。

 「保守政治が続き、その文教政策が、国のマイナス面を教えないようにしてきたのが原因だ。沖縄での集団自決についても、旧日本軍の関与が教科書から消えることになった。学校の歴史の授業は、古代から昭和初期あたりまでを丁寧に指導し、現代史は駆け足になるカリキュラムになっている」

 ――保守政権を続けたのは国民の選択ですが。

 「もちろんそう。55年体制では日本社会党が野党として労働者の声を多少なりとも反映させたが、保守政権が続いたのは事実。その中で、国民の歴史音痴化がどんどん進んだ。昨年、高校の世界史の未履修問題というのがあったが、このグローバル時代にとんでもないこと。そんな状況だから、若者が問題意識を持たなくなり、感情で右傾化している」

 ――話を地域に戻してほしい。

 「つながっている。戦争できる国にするというのが改憲の狙いだが、要は憲法を、権力を抑制するものでなく、国民を統治するものにしようとしている。地方分権という題目と合併特例債というエサで市町村合併が進められたが、見方によっては、統治しやすい仕組みを作ったとも言える。西東京歴史学会では市域の江戸時代までを研究し終えたが、ここまでみる限り、保谷と田無の歴史は、背景、歩みがまったく違う。本来なら、これを一つの共同体にするのはムリな話だ」

 ――しかし、西東京市は7年目を迎えている。

 「互いに知らない者同士ということが、逆に生きてくる可能性はある。ゼロから始まるというのを前向きにとらえ、同一の気持ちになって福祉やインフラ整備を行えば、理想の自治体ができるかもしれない。ただ、そこで指針とすべきなのは、やはり現憲法だ。中央集権的なものと対立する、自由や民権という思想を欠かしてはならないよ」


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