2008年コラム


心霊現象の科学A

日本東洋医学会・日本ホリスティック医学協会会員
土居望 治療室     TEL:042-475-9375
手技療法の実践 二、 自己相似性
6月

  東洋医学は「全体性」の医療だといいます。

  この全体性という言葉は、長い歴史の中で言葉としてのみ飛び交い、その本質は失われ、まったく理解されることはなくなっていました。

  手技療法家が東洋医学の世界に足を踏み入れるとき、最初の第一歩はおそらく自己相似性の問題だと思います。冬の寒い朝、窓ガラスにできる氷の結晶は、私には美しい宝石のように思えました。そして、その結晶は、どこの一部分を拡大してみても、もとの結晶と同じ構造をしています。これが、自然界における自己相似性です。

  よく、足の裏に全身のツボがある、と言う人がいます。耳に全身のツボがある、と言う人もいます。実は、体のどんな小さな一部分にも、全身のツボがあるのです。これが、部分の中に全体を含むという東洋医学の全体性です。

  そして、この全体性は、人体の内側のみにとどまることができません。私たち一人ひとりの中に、まるごと世界が内在しているからです。

  いま、現代人の心は世界から何を手に入れようかという思いに終始しています。高収入を求め、社会的地位や名誉を得ようと努力します。

  しかし、手技療法家にとって、このようなことは意味がありません。社会的に勝ちえたと高ぶる人も、乞食(こじき)のような生活をしている人も、重い病気で寝たきりの人も、孤独な老人も、すべては己の中に内在しているのです。これは、聖書の中の「すべての人にキリストを見る」という一節にも似ているように思えます。そして私はそこに、手技療法家として歩む道を見いだすのです。
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手技療法の実践 一、 覚醒
5月
 病気に苦しむ少女がいた。どこの医者に診せても少女は良くならない。たまりかねた母親は、祈祷師の門を叩き相談した。祈祷師は少女を見るなり、「少女の身体に宿る邪気が見える」と言い、体を押したりさすったりしながら呪文を唱えた。すると不思議なことに、少女の苦痛はやわらいでいた― 。

  このような現象が、世界各地で、大昔から起こり続けています。恐らく、東洋医学でいう〈ツボ〉や〈手技療法〉の原始的形態は、このようにして生まれたのでしょう。半面、科学はこのような治癒現象を解明するため、ツボの形態学的研究に着手したわけですが、何一つ明らかにできていません。

  私は加持祈祷を信じてはいません。しかし、体験から言えば、祈祷師には少女の邪気が見えていたのだと感じます。それは、日常私たちがものを見る目とはまったく異なる別次元の世界です。そして、東洋医学の世界も、その中にあるのです。

  己の心に耳を傾けると、そこには、体に生じるさまざまな五感の体感に合わせて変化し続ける心の動き瞬間瞬間の情報が、生命の流れの中でたえまなく動き続けていることに気付きます。

  このような生命感覚の覚醒は、手技療法家にとって重要な要素です。なぜならば、自らの生命感覚で病人の生命感覚を感じ取ろうとするとき、受け手である患者さんの内的イメージの共感ないし同調関係がみられるとき、その人の生命感覚までもが自らの心に映し出される― そのようなときにこそ、東洋医学の世界がはっきりと認識されるからです。
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科学だけでは…
4月
 
 2人の女性スタッフがなにやら小声で話をしている。最近お腹がどうのとか……。
 
 そこで私が、どうしたの?ってやさしく聞いたんです。そしたらいきなり、先生はメタボですよ、とザクッと胸に突き刺さる言葉。遠慮というものがない。あのね、そんなの私の勝手でしょ、大きなお世話ですよ。お腹のまわりがどうだとか。コレステロールがこうだとか。あれは科学的統計学でしょ。
 
 一昔前、脳血管障害といえば、脳出血で亡くなる人が多かった。今はコレステロールの高い人が多いから、脳梗塞が断然多いんですたしかに、あまり高いのは問題としても、日本は今、世界一の長寿国なんです。少し高いぐらいの人が、みんなでコレステロールを下げましょうなんて下げたら、また脳出血とかいろんな病気が多くなって、みんな早死にするかもしれないなんて、屁理屈の一つも言いたくなりますよ。
 
 昔、大学病院の心臓の教授の奥様が、心臓が苦しくなると私の治療室に通院していたことがあるんです。夫人は治療を受けて元気になったのだけれど、ご主人は、もともと医学的に問題はないと言う。医学、あるいは科学というものは、人間の中の数値化できるものだけを問題にする統計学的真理なんです。
 
 今あなたが何らかの症状に苦しんでいるとき、
あなたの数値はこうで、医学的にはこうなんです、なんていう話は意味を持たない。なぜならば、私たちの生きている世界は数値化することなどできないさまざまなクオリアに満ちているのですから。
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免疫力と自然治癒力
3月
 3月1日、治療院を移転しました。以前よりはかなり広く、窓から外を見ると東久留米駅西口のロータリーが一望できます。ここならば駅から1分とかからないし、遠くから来てくださる方も少し便利になるかと思ったんです。

  ところが、初日から「道に迷った」「場所が分からない」と何本となく電話がかかってくる始末。考えてみればそうなんです。こちらからは駅前を歩く人の姿が見えているけれど、相手からこちらが見えるわけではない。表通りでもないし、看板だって建物の前に来て、やっと見えるくらいの小さいのが一つだけ。私はそんなことにも気がつかない。それでも、初日とはいえ、何十人もの人が来てくれました。

  治療院だって、スタッフ一同、一生懸命していても、思うようにはかどらないときだってあるから、当然、予約の時間から30分、40分と遅れてしまうときもある。まあ、私だったら、不親切で時間にルーズな治療院だ! と文句の一つも言って帰ってしまうかもしれないけれど、そういう人が一人もいない。これは本当に申しわけなく思い、心から感謝しています。

  今までも大勢の人に支えられて仕事ができたことを、スタッフ一同心からお礼申し上げます。そして、不肖な土居治療院ですが、これからもよろしくお願い申し上げます。

  今月中には、治療院はココです、と窓に張り紙を付ける予定です。

 東久留米市本町1の3の19Kmビル5階
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免疫力と自然治癒力
2月
 鍼灸や指圧、テルミー療法、あるいはびわの葉温灸などもそうだと思うんですが、私の治療室での手技は、疾患の治療にも用いてはいるけれど、本来の目的は免疫力とか自然治癒力を高める生命場の医療と考えているんです。

  先日、私が鍼を打っているとき、その人から免疫力と自然治癒力はどこが違うんですかと質問されたんです。

  この二つは明らかに違いますネ。免疫は体内のシステム全体とかかわっていて、有害物質から体を守るスーパーシステムです。細菌とかウイルスとか、がん細胞とかからですネ。だから、自然治癒力の一部と考えられますが、免疫力=自然治癒力とはならない。
  自然治癒力の正体はいまだ多くの謎に包まれていますが、その力は、生命のずうっと奥にあって、外界の環境や世界そのものとも深くつながりあっていると思うんです。私のツボのイメージが、時々、人体から外界に飛び出してしまうのもそのためかな、と思ったりもします。

  西洋医学は外科手術を得意としていますネ。でも、どんな名医が執刀しても、患者自体に自然治癒力がなかったら、切除された臓器はそのままで再び回復することがありませんから、手術という考え方そのものが成り立たなくなる。

  外科学の先駆者、アンブロワーズ・バレは苦痛の少ない止血法を開発した人ですが、その功績を称えられたとき、「私は処置をしただけで、神が癒し給わった」と答えたといいます。
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心霊現象の科学A
1月
 念力でスプーンを曲げられるか、未来は予知できるか、虫の知らせや死者の霊が現れたという話は本当にあるものなのか。

  このような神秘体験を信じる人は意外に多く、霊感商法などにだまされる人も後を絶ちません。しかし、このようなサギ師と思われる人たち自身も、自分が人をだましているということに気付いていない例が多いのではないでしょうか。

  私が鍼灸師になったばかりのころ、催眠が使えるという理由でユリ・ゲラーという人に会ったことがあります。彼は私の目の前で、念力とやらでスプーンを曲げ、時計の針を動かしてみせました。しかし、以前、守部昭夫氏の催眠を目の当たりにしていた私の目には、安い手品としか映りませんでした。もし念力でスプーンを曲げられるのならば、両手の手のひらを開いて前に出し、その手にスプーンをのせ、真上からカメラをあててスプーン曲げをすればよいだけなのに、それができる超能力者は一人もいません。

  私は超能力や超常現象の一部は確実に存在すると考えていますが、それらの現象の多くが無意識の心の領域と関連していることを無視できません。科学というものは、恐らく一般的な再現性のあるものを問題にします。ですから、心霊のような何万回に1回起こるような例外的現象は、理論や法則をつくるのに邪魔であって、これを排除するというのが統計的真理だと思います。

  科学によるツボ(経絡現象)の研究は100年以上前から行われていますが、まったくの暗礁に乗り上げています。私が思うことは、心霊現象のような例外的現象から一般的現象(経絡現象)であるツボのような東洋医学が明らかにされるのではないかということです。

  私たちが生きることは、科学的法則や統計的真理に従っているとはどうしても思えません。たった一度の個別の生の軌跡だからです。逆に言えば、ツボの科学的解明が心霊現象などの謎を解く鍵と考えているからです。